日本の伝承の暮らし
日本の住まいは、もともと不要な家具調度品などを室内に出しっ放しにしないのが常でした。
かくれん棒にもそのスタイルが受け継がれているようですね。
ただ空間があるだけで、部屋自体は無性格につくられていました。
ふとんを片づけて、茶ぶ台を設けると、寝室だったところが茶の間にかわる・・・
さらに茶ぶ台を片づけて花を活けたりすれば床の間がなくても、今度は客間にかわるというように、部屋の転用性は日本独特の生活文化であり、引き算の室礼(しつらい)であるといえるのではないでしょうか。
簡単な室礼で幾通りもの部屋にかわってしまう。
空間を多目的に使う日本人の暮らしは室礼の連続です。
・・・このことは欧米のインテリアと根本的に違うところです。
日本の住宅は柱と梁の上に屋根がついており、縁側の建具の開閉で室内と外がつながり、また遮断もできます。
室内の戸、障子も開閉したり、撤去したり、屏風、衝立(ついたて)などを自由にしつらえて、すばらしい演出をしていました。