男のおしゃれ 5
「釣りはヘラブナに始まり、ヘラブナに終る」と言われますが、背広もチャコールグレーに始まりチャコールグレーに終ると言っても良さそうです。
つまり、ドブネズミ色が東西古今の紳士の身体を包むと言う外はないということになるわけです。
今どき"三つ揃い"でドレスアップする男テレビで国会中継を見ていると橋本首相がたびたび三つ揃いの背広で登場しています。
今どき三つ揃いでドレスアップする人は少ないのですが、かつてベストドレッサー賞を受けた橋龍氏は、入社式に整列した新入社員のノリで緊張して出て来ているようで愛嬌があります。
あれほどカチカチにならずに少しリラックスした方が国民には親しみが湧くでしょう。
だいいち、欧米の政治家に三つ揃いで大衆の前に立ち現れる人は絶対といって良いほどいません。
せっかくの三つ揃いも、息子の結婚式に上京してきた田舎の中小企業の社長さんめいて野暮ったく見えます。
悪評高いテカテカの頭髪なみに重苦しくなってしまうから、よした方がいいでしょう。
もっとも、お洒落をしたいなら、思い切って派手めな柄や素材で仕立てたオッド・ベストを着て、議場をアッと言わせて見てはどうでしょう。